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環境変化と企業経営 5つの要素で経営を見直す

経営コンサルタントの立場から、多くの企業経営者とお会いしてお話を聞く機会が多いが、社会システムの変化にともない従来の経営手法(儲けの方程式)が通用しないと感じている方々が実に多いことに気づかされる。この連載はこうした試行錯誤している経営者の方々に、環境変化に負けない強い会社を作るためのヒントを提供することを目的とする。
連載第一回目は今後の記事をつらぬく概論とも言える、企業を取り巻く環境変化の捉え方と経営を見直す5つの要素について述べてみたいと思う。

企業戦略と経営環境


企業の業績は、市場動向、経済動向を代表とする経営外部環境に大きく左右される。
景気が後退し市場が冷え込めば当然多くの業界が打撃を受けるが、個別に見ると、この原則に関わらず成長を続ける企業もある。この違いをもたらすのが経営戦略のあり方だ。
戦略とは、商品/サービスに関わる差別化戦略や競争価格戦略から、マーケティング戦略や財務戦略といった企業運営全般に関わるものまで、目的とするものによって様々な角度から検討される。こうした個別の戦略を総称して経営戦略と呼ぶが、大意としては次のように定義できる。

経営戦略とは、自社の競争優位性を保つために経営外部環境に対し経営 内部環境を最適化すること

経営戦略は、まず自社を取り巻く経営環境を知ること、次に環境に対応した経営内部環境の配置・配分を検討するというプロセスを経て構築される。

[図1]は経営環境の変化について、競合企業の動向など固有のファクターは除き、普遍的に存在する状況を[人の意識の変化]、[仕組みの変化]、[技術の変化]、[国の変化]とし、さらにすべての環境変化と密接に関連すると考えられる[高度情報化]という5つの視点から分類したものである。
1996年頃から急激に進展した情報機器および通信技術の変革は、社会システムのあらゆるフレームワークを根底から覆すほどのインパクトを世界に与えた。
[人の意識の変化]、[仕組みの変化]、[技術の変化]、[国の変化]の各項目をごらんいただきたい。ITイノベーションとの因果関係が多く見つかることであろう。

図1 企業を取り巻く経営環境変化

内部環境の5つの要素


私どもF&Pコンサルティングファーム(以下F&P)は、経営コンサルタントの集団として多くの業界における経営環境変化を分析し、最適な戦略を策定するお手伝いをすることが多いが、その際、環境変化の経営に関するインパクトを業界・業態ごとにパターン化することはさほど難しいことではない。典型は存在するのだ。

では、個々の企業のとるべき戦略はというと、これは千差万別だ。
経営外部環境に対応し最適化すべき経営内部環境は、それぞれの企業で事情が異なるからだ。
手前味噌になるが、F&Pではこうした個別性のある経営内部環境をスピーディーに診断し、環境対応に整合した戦略を立案するツールとして、内部環境の方程式を用いている。
[式]経営内部環境の状態=リソース×プロセス×商品×ガバナンス×自律性

図2 経営内部環境と外部環境 [図2]は、経営内部環境と経営外部環境の関連を概念的に表したものである。
経営内部環境を構成する要素を[リソース]、[プロセス]、[商品・サービス]、[ガバナンス]、[自律性]の5つの視点に分類している。
[リソース]とはいうまでもなく人・物・金・情報といった経営資源であり、[プロセス]はリソースを運用し業務を進めるための段取りである。[商品・サービス]はリソースをプロセスどおりに運用した結果生まれる価値の総称。[ガバナンス]とは、大意としては企業統治すなわち内部統制システムや不正行為を監視・防止する機能を意味する。[自律性※]とは、前4項目で規定されたルールや決定事項を自然と守れる状態である。

※企業における自律性
より正確に説明すると、企業理念を実現するために、経営者と社員相互が(広義には顧客、株主などを含むステイクホルダー)が理念に対する価値観を共有し、実現に向かう活動における自らの役割を認識し、自律的に行動する状態と、これを支援する会社の仕組み。

戦略の方程式


前述したように、経営戦略とは“経営外部環境に対し経営内部環境を最適化”することであるが、実際に策定される戦略というものは、経営内部環境の最適化された形とそこにいたるプロセスを文章・数値化したものになる。すなわち戦略=経営内部環境の最適化を目指す計画といえる。
この経営内部環境が現在どのような状態であるかを診断するために、私どもF&Pでは上のような[式]を利用する。

ここで重要なのは経営内部環境を構成する各要素が掛け算でつながれていることだ。つまり、1つの要素が0であると経営内部環境は全く機能していないことになる。昨今の食品偽装問題など、ガバナンスとそれを遂行するプロセスが充分に機能していないことから発生した問題であることが推察される。

しかし、それぞれの会社がこのような問題の発生が二度と起こらないようにと、ガバナンス、プロセスを定義・再構築したとしよう。
本当に二度と起こらないであろうか? はなはだ懐疑的に成らざるを得ない。なぜならそこには重要な要素である[自律性]の視点が欠けているように思われるからだ。何もしなくても自然と問題が起こらない状態を維持し続ける人と組織の構築が成されるかどうかだ。

よく聞く話であるが、戦略の策定が終わり中長期のすべての計画が出来上がって、一年後、元の状態に逆戻り。この状態を私は[企業の自律神経失調症]とよんでいるが、多くの企業がこの症候群に悩まされている。
私がコンサルタントとして企業の戦略策定をお手伝いする際の最重要課題も実はこの一点にある。

まずこの[自律性]をチェックし、戦略が自然に履行される状態を提供することを心がけている。
これから経営戦略を再構築する経営者の方々は、5つの視点、特に自律性を最重要項目として認識することをお勧めする。
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